マイクの正しい持ち方|ハウリングを防いで声をしっかり届けるコツ
- 株式会社RAHU

- 5月8日
- 読了時間: 4分
こんにちは。エンジニアの梅木です。
このブログは、音の事にちょっとだけ人より詳しくなって、音楽をより楽しんでもらう事をコンセプトにつらつらと記事を書いています。寄り道多めですがそれも楽しんで頂ければ幸いです。
マイクの持ち方の話をしようと思います。

マイクは持ち方ひとつで指向性と音質が変わります。正しく持てば声がクリアに届きますが、持ち方を間違えると本来拾うべき声が変わってしまったり、余計な音を拾って音質が劣化したりします。
持ち手のグリップ部分を握ってください。上の丸いヘッド部分は握らないほうがいいです。ヘッドを握るとハウリングが起きやすくなります。
ハウリングというのは、スピーカーから出た音をマイクが拾って、またスピーカーから出て、またマイクが拾って……という無限ループが起きて、キーンとかボーンという音が会場に響いてしまう現象です。ライブ中に突然あの音が出ると客席もびっくりしますし、音響さんとしても結構焦ります。
ヘッドを手で覆うとマイクの指向性が変わって、後ろからの音を拾いやすくなります。
指向性というのは、マイクがどの方向から音を拾いやすいかという特性のことです。ライブでよく使われるSM58などのダイナミックマイクは単一指向性といって、正面からの音を拾いやすく、後ろや横からの音は拾いにくい設計になっています。マイクの頭を覆うと、無指向性に変化してしまい、そのぶんスピーカーの音も拾いやすくなるので、ハウリングが起きやすい状態になってしまうんですね。

好きなアーティストがヘッドを握って歌っているのを見たことがある方もいると思います。あれは音響スタッフ側がそのアーティストに合わせてハウリングしないよう細かく調整しているからできることです。慣れていない方がやると途端にハウリングしやすくなりますし、音響さんが内心ヒヤヒヤしながら見ていることも少なくないです。
真似したくなる気持ちはわかるのですが、グリップを持って歌ってもらえると、音響さんはとても助かります。よろしくお願いします。
口との距離ですが、グリルに唇がつくくらい近くて大丈夫です。
ライブ環境ではマイクに近いほどハウリングしにくくなりますし、声もしっかり届きます。マイクが近いぶんモニターの音も上げやすくなるので、結果的に歌いやすい環境が作れます。モニターの音をもっと上げてほしいと言われることがあるのですが、マイクを遠ざけた状態だと返せる音には限界があって、それ以上上げるとハウリングします。近づけるだけでずいぶん変わりますので、ためらわず近づけてください。
向きも大事で、口に対してまっすぐ向けるのが基本です。横から喋っていたり、マイクが下を向いていたりすると、音をうまく拾えません。カプセルが口の正面にくるように意識してみてください。
脱線しますが、踊りながら歌う方はどうしても動いているうちにマイクがどんどん下を向いてきます。本人は気づいていないことが多くて、いつの間にか床に向かって熱唱している状態になっています。音響さんはそのあたりをずっと見ながらフェーダーを調整しています。マイクを持つ手にも少し意識を向けてもらえると、声がより安定して届きます。
最後にもうひとつだけ。マイクが入っているかどうか確認するとき、ポンポンと叩いて確認する方がいます。なぜかみなさん叩くんですよね。マイクはとても繊細で、空気の振動を感じるくらい精密なものなので、叩くと壊れることがあります。
スピーカーも一緒に揺れるので、スピーカーが壊れる可能性もあります。あーとかテストと声を出して確認してもらえると嬉しいです。喋ればちゃんとわかりますので。
マイクの持ち方ひとつで、音の届き方はずいぶん変わります。次にマイクを持つ機会があったら、ぜひ意識してみてください。
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